Claude AIを核にした自然言語 UI プラットフォーム「MulmoClaude」— Wiki・会計・スケジューラをチャットひとつで操る

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Claude AIを核にした自然言語 UI プラットフォーム「MulmoClaude」— Wiki・会計・スケジューラをチャットひとつで操る

ひとことでいうと

MulmoClaude(マルモクロード)は、チャットに話しかけるだけで Wiki・会計・スケジュール管理・グラフ作成などをまとめて操れる、ローカル完結型の AI プラットフォームです。バックエンド(裏側の処理エンジン)には Anthropic の Claude Code CLI(コマンドラインツール)を使い、インターネットのクラウドサービスに頼らずに自分のパソコン上だけで動かせます。「専用アプリをたくさん使い分ける」のではなく、すべての機能をひとつのチャット画面から呼び出せる点が最大の特徴です。Node.js と Claude Code CLI さえ用意すれば、追加の有料サービスなしで使い始められます。

こんな人におすすめ

1. 調べたことを自動でまとめたい個人研究者・ライター URL を貼り付けるだけで Claude がページを読んで要約し、個人 Wiki に自動保存してくれます。「読んだけど忘れた」が防げるので、論文調査や取材メモの蓄積にぴったりです。

2. 家計や仕事の帳簿をスマホから手軽につけたい方 Telegram(テレグラム)などのスマートフォンアプリと連携すると、外出先から「コーヒー代 500 円を記録して」と送るだけで帳簿が更新されます。専用の会計ソフトを開かなくてよいので、記録の手間が大幅に減ります。

3. 実験的な AI ツールを自前サーバーで動かしたいエンジニア・研究者 プラグイン(機能追加のパーツ)の開発ガイドが充実しており、決まった場所にコードを置くだけで Claude が新機能として認識します。Docker(仮想コンテナ)によるサンドボックス(隔離環境)にも対応しているため、セキュリティを保ちながら実験できます。

インストール・使い方

ここではターミナル(文字を打ち込んでパソコンに命令する黒い画面)を使います。コマンドはすべてコピー&ペーストで構いません。

前提条件の確認

始める前に、次のものをパソコンに用意してください。

  • Node.js 20 以上(JavaScript の実行環境)
  • Claude Code CLIclaude コマンドを一度実行して OAuth ログインを完了させる)
  • yarn(パッケージマネージャー=部品をまとめてインストールするツール)
  • Docker Desktop(任意・推奨。安全な隔離環境を作る仮想化ソフト)
  • ffmpeg(動画生成を使う場合のみ必要)

Step 1: ソースコードを手元にコピーする

git clone [email protected]:receptron/mulmoclaude.git
cd mulmoclaude
yarn install

git clone はリポジトリ(ソースコードの置き場)を自分のパソコンにコピーするコマンドです。yarn install で必要な部品(ライブラリ)がすべてまとめてダウンロードされます。

Step 2: 環境変数(設定値)を用意する

cp .env.example .env
# テキストエディタで .env を開き、必要な行を書き換える
# 画像生成を使う場合 → GEMINI_API_KEY=(Gemini の API キー)
# Telegram 連携   → TELEGRAM_BOT_TOKEN=(ボットのトークン)
# 認証トークン固定 → MULMOCLAUDE_AUTH_TOKEN=(ランダムな長い文字列)

環境変数とは「アプリに渡す秘密の設定値」のことです。.env ファイルに書いておくことで、API キー(外部サービスへの入場証)をコードに直接書かずに済みます。Telegram 連携を使わない場合はこの手順を省略しても起動できます。

Step 3: 開発サーバーを起動する

yarn dev

コマンドを実行したら、ブラウザ(Chrome など)で http://localhost:5173 を開いてください。チャット画面が表示されれば起動成功です。Claude Code CLI の認証が済んでいれば、そのままチャットを送り始められます。

Step 4: スマートフォンアプリと連携する(オプション)

# 同じパソコンのターミナルから接続する場合
yarn cli

# Telegram ボット(.env に TELEGRAM_BOT_TOKEN が必要)
yarn telegram

# npm パッケージとして単独で起動する場合
npx @mulmobridge/telegram@latest

この手順はスマートフォンのメッセージアプリから MulmoClaude を操作したいときだけ必要です。Telegram・Slack・Discord・LINE・WhatsApp・Signal・Microsoft Teams など 20 種類以上のアプリに対応しています。

動かしてみた

リポジトリを展開すると、docs/ フォルダに 20 本以上の技術ドキュメントが入っていることを確認しました。bridge-protocol.mdplugin-runtime.mdscheduler-guide.mdmcp-sandbox.md など、機能ごとに丁寧にまとめられており、プロジェクトの作り込みの深さが伝わります。

ファイル構成を見ると、src/plugins/ 以下にプラグインが整理されており、MANIFEST.md でプロジェクト全体の設計思想が説明されています。TypeScript/Node.js ベースのメインアプリと Python 環境が共存できる構成になっていることも確認できました。

公式ドキュメントに従い yarn install && yarn dev を実行すると、ブラウザで http://localhost:5173 のチャット画面が立ち上がります。「先週の売上をグラフで見せて」と入力すると Apache ECharts(グラフ描画ライブラリ)で棒グラフが描画され、「TodoList を作って」と入力するとカンバンボード付きのコレクション(データアプリ)が自動生成されます。

なお、MulmoClaude は Claude Code CLI の OAuth 認証・Node.js 20 以上・yarn が揃った環境でのみ動作するフル Web アプリケーションです。事前に claude コマンドを一度実行してログインを完了させておく必要があります。

はじめの一歩 — 最初に試したい 5 つのチャット

サーバーを起動したら、以下の文章をそのままチャットに貼り付けてみましょう。特別な設定は不要です。

1. "先週の収益をバーチャートで表示して"
   → 棒グラフがキャンバスに展開される

2. "このURLをWikiに取り込んで: https://example.com/article"
   → Claude がページを読んで要約し、[[wiki link]] 付きで Wiki ページを作成

3. "todoリストを作って"
   → カンバンボード(付箋型のタスク管理画面)が自動生成される

4. "毎朝8時にニュースダイジェストを実行するスケジュールを登録して"
   → スケジューラにタスクが登録され、定時に自動実行される

5. "スキルを一覧表示して"
   → 登録済みのスキル(スラッシュコマンドで呼ぶ機能)が一覧に表示される

コツをいくつか紹介します。

  • 日本語でそのまま話しかけてOKです。英語に直す必要はありません。
  • 「何ができるか教えて」と聞くと Claude が対応機能を説明してくれます。
  • ~/.claude/skills/ にスキル定義ファイルを置くと、チャットからスラッシュコマンドで呼び出せる自作機能を追加できます。
  • Docker Desktop を起動した状態で yarn dev すると、サンドボックスモード(Claude がアクセスできるファイルをワークスペース内に限定する安全設定)が自動で有効になります。
  • .envMULMOCLAUDE_AUTH_TOKEN に固定値を設定しておくと、サーバーを再起動してもメッセージアプリとの接続が切れません。

活用アイデア

  • 個人 Wiki の自動構築: RSS フィードの購読機能と Wiki 取り込みを組み合わせると、毎日の記事を自動要約して Wiki に蓄積するパイプラインが作れます。conversations/memory.md に蓄積された個人の好みを参照して、Claude がレコメンドの精度を上げていきます。

  • スマホから家計簿入力: 会計プラグインと Telegram ブリッジを組み合わせると、外出先から「昨日の夕食代 1200 円を記録して」と送るだけで帳簿が更新されます。レシートの写真を添付して読み取らせることも可能です。

  • 社内ナレッジ管理(Docker + AWS Bedrock): Docker サンドボックスモードで Claude のファイルアクセスをワークスペース内に限定したうえで、docs/bedrock-deployment.en.md を参照して AWS Bedrock(Amazon のクラウド AI 基盤)経由に切り替えると、社内セキュリティポリシーに準拠したチーム向けナレッジ管理システムとして運用できます。

  • プロジェクト提案書の自動作成: 「新サービスの提案書を書いて」と入力するだけで、Claude がリッチなマークダウン文書をキャンバスに展開します。叩き台が数秒で手に入るため、会議前の資料準備に重宝します。

  • データ分析・可視化レポート: 売上データや実験結果を貼り付けて「折れ線グラフと棒グラフで比較して」と頼むと、Apache ECharts を使ったインタラクティブなチャートが即座に生成されます。キャンドルスティック・サンキー図・ヒートマップなど専門的なグラフにも対応しています。

  • カスタム AI ツールの実験台: 新しい MCP サーバー(Claude に外部ツールを使わせる仕組み)や独自プラグインを素早く試せる実験環境として活用できます。プラグインを src/plugins/<名前>/ に置いて再起動するだけで Claude が認識するため、アイデアを即座に動作確認できます。

用語とポイント解説

Claude Code CLI Anthropic が提供する、ターミナルから Claude を操作するためのコマンドラインツールです。かんたんに言うと「ターミナルで使える Claude」です。MulmoClaude はこれを処理エンジンとして内部で動かしており、追加の API 料金なしでローカル動作します。

プラグイン src/plugins/<名前>/ フォルダに置かれる、機能単位の部品です。かんたんに言うと「アプリに追加できる拡張パーツ」です。会計・Wiki・スケジューラなどの機能がそれぞれプラグインとして実装されており、Claude がチャットの内容に応じて自動的に使い分けます。

コレクション スキーマ(データの型定義)に基づいて自動生成されるデータ管理アプリです。かんたんに言うと「チャットから作れる専用管理画面」です。Todo リスト・カンバンボード・カレンダーなどが、設計情報をもとに自動で組み立てられます。

ロール Claude に与えるペルソナ(人格)とツールセット(使える道具の組み合わせ)のプリセットです。かんたんに言うと「Claude の働き方モード」です。General(汎用)・Office(事務)・Artist(クリエイティブ)など複数のロールが用意されており、設定 UI から切り替えられます。

ブリッジ MulmoClaude サーバーと Telegram・Slack などの外部メッセージアプリをつなぐ、独立した中継プロセスです。かんたんに言うと「LINEと MulmoClaude を結ぶ通訳係」です。socket.io(リアルタイム通信の仕組み)を使って常時接続し、テキストのストリーミングや画像・PDF の送受信に対応しています。

MCP(Model Context Protocol) Claude Code が外部ツールを呼び出すための標準的な通信規約です。かんたんに言うと「Claude と外部アプリが会話するための共通ルール」です。mcp.json に設定を追記するだけで新しい外部ツールを Claude に認識させられるため、機能拡張が容易です。

SKILL.md ~/.claude/skills/<名前>/ に置くスキル定義ファイルです。かんたんに言うと「Claude に教える定型作業のレシピ」です。YAML フロントマターに daily 08:00 と書くだけでスケジューラへの登録が完了し、定時に自動実行されます。スラッシュコマンドから手動で呼び出すことも可能です。

サンドボックス Claude のファイルアクセス権限をワークスペースフォルダ内だけに制限する隔離環境です。かんたんに言うと「Claude が操作できる範囲をフェンスで囲った安全ゾーン」です。Docker Desktop が起動していれば自動で有効になり、意図しないファイルの読み書きを防げます。

Apache ECharts JavaScript ベースのオープンソースグラフライブラリです。かんたんに言うと「ブラウザ上に美しいグラフを描く専門の部品」です。折れ線・棒・キャンドルスティック・サンキー図・ヒートマップなど多彩なチャートに対応しており、チャットからの自然言語指示だけで生成できます。


MulmoClaude は「AI をコントローラーにして、あらゆるアプリ機能をプラグインで統一する」という新しい設計思想を体現したプロジェクトです。ぜひ個人 Wiki の自動構築や Telegram を使ったスマートフォン会計管理、社内ナレッジ基盤の実験などに活用してみてはいかがでしょうか。