Azure AI Foundry を手を動かして学ぶ!Microsoft 公式ハンズオンラボ全集

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Azure AI Foundry を手を動かして学ぶ!Microsoft 公式ハンズオンラボ全集

ひとことでいうと

mslearn-ai-studio は、Microsoft が公式に提供する Azure AI Foundry(旧称: Azure AI Studio)の実習ラボ集です。 AI モデルの探索・会話アプリの構築・自社データの取り込み・モデルの追加学習・安全フィルターの設定・品質評価まで、AI アプリ開発の主要な工程をひと通り体験できます。 Microsoft Learn や公式トレーニングコースとも連動しており、「概念を読んで理解した」から「実際に手を動かして覚えた」へスムーズに進める設計です。 クラウド上の AI サービスを初めて触る方から、企業で AI 導入を検討している方まで幅広く活用できます。


こんな人におすすめ

1. Azure AI や生成 AI を初めて触る入門者 GUI(画面操作)と Python SDK(プログラムからの操作)の両方を体験できるので、「どこから始めればよいかわからない」という方に最適です。 ラボが順番に設計されており、前のラボで得た知識が次のラボの土台になる構成です。

2. Microsoft 認定試験(AI-102 など)の受験者 ラボの内容が試験範囲と対応しているため、テキストを読むだけでなく「実際に動かして」知識を定着させたい方に向いています。 手順書(Markdown ファイル)を見ながら自分のペースで進められます。

3. 企業内 AI プロジェクトの検証担当者 ファインチューニング(追加学習)・独自データとの連携・コンテンツフィルターの設定といった、本番導入に必要なステップをすべて試せます。 旅行業界向けのサンプルデータが同梱されているので、ゼロからデータを用意しなくても本番に近い演習が可能です。


含まれるラボ一覧

リポジトリの Instructions/ フォルダには、以下の 8 つのラボが収録されています。

ファイル内容
01-Explore-ai-studio.mdAzure AI Foundry ポータルの基本操作
02-Explore-model-catalog.mdモデルカタログの探索と比較
02a-AI-foundry-sdk.mdPython SDK を使った AI Foundry 連携
03-Use-prompt-flow-chat.mdプロンプトフローでチャットアプリを構築
04-Use-own-data.md独自データを使った RAG(検索拡張生成)の実装
05-Finetune-model.mdモデルのファインチューニング(追加学習)
06-Explore-content-filters.mdコンテンツフィルターの設定と検証
07-Evaluate-prompt-flow.mdプロンプトフローの評価と品質測定

番号順に進めると、基本操作 → モデル選択 → アプリ構築 → 安全設定 → 品質評価という流れで、AI 開発の全体像が自然につかめます。


インストール・使い方

Step 1: リポジトリをダウンロードする

git clone https://github.com/MicrosoftLearning/mslearn-ai-studio.git
cd mslearn-ai-studio

「ターミナル」とはパソコンに文字で命令を送る画面のことです(Mac なら「ターミナル」、Windows なら「コマンドプロンプト」または「PowerShell」)。 上のコマンドをコピー&ペーストして実行すると、ラボのファイル一式がパソコンに保存されます。


Step 2: Python のバージョンを確認する

python --version
# Python 3.12.x が推奨

このリポジトリは Python 3.12 での動作が推奨されています。 表示されたバージョンが古い場合は、Python 公式サイトから最新版をインストールしてください。


Step 3: Azure AI Foundry ポータルにサインインする

ブラウザで https://ai.azure.com を開き、Microsoft アカウントでサインインします。 Azure サブスクリプション(利用契約)が必要ですが、無料試用版でも多くのラボを体験できます。 「サブスクリプション」とは Azure のサービスを使うための利用登録のことで、無料枠から始めることが可能です。


Step 4: ラボの手順書を開く

# VS Code(テキスト編集ソフト)で開く場合
code Instructions/01-Explore-ai-studio.md

Instructions/ フォルダ内の .md ファイルが手順書です。 ファイルを上から順に読みながら、ブラウザで Azure ポータルを操作したり、ローカルのコードを編集したりして進めます。


Step 5: SDK を使うラボ(02a)の準備をする

pip install azure-ai-projects azure-identity openai

pip install は Python のライブラリ(部品集)をインストールするコマンドです。 02a-AI-foundry-sdk.md のラボでは、Python プログラムから Azure AI Foundry を操作するため、このコマンドで必要な部品を事前に追加します。


ブラウザだけで試したい方へ

本リポジトリのラボはすべて Azure AI Foundry のアカウント認証を前提としており、ブラウザだけで完結するデモの提供は難しい構成です。 ただし、Microsoft Learn の公式ラボ環境(サンドボックス) を利用すると、Azure アカウントを持っていなくても一部のラボを体験できます。 まずはサンドボックス環境で全体の流れをつかんでから、自分のアカウントで本格的に取り組む、という進め方もおすすめです。


動かしてみた

リポジトリをクローンした直後の状態を確認したところ、Instructions/ フォルダに 8 つのラボ手順書がすべてそろっていました。

./Instructions/01-Explore-ai-studio.md
./Instructions/02-Explore-model-catalog.md
./Instructions/02a-AI-foundry-sdk.md
./Instructions/03-Use-prompt-flow-chat.md
./Instructions/04-Use-own-data.md
./Instructions/05-Finetune-model.md
./Instructions/06-Explore-content-filters.md
./Instructions/07-Evaluate-prompt-flow.md

Python 3.12 が利用できる環境であれば、クローン直後からすぐにラボ手順書を開いて作業を始められることを確認しました。

また、リポジトリには generate_lab_catalog.py というスクリプトが同梱されており、実行すると lab_catalog.csv というラボ一覧ファイルが自動生成されます。 このファイルはラボの情報を機械が読みやすい形(CSV 形式)にまとめたもので、社内の学習管理システムや自動化ツールと組み合わせて活用できます。

data/ フォルダには旅行業界を想定したサンプルデータ(ホテルの Q&A・旅行パンフレット・評価用データなど)が含まれており、ラボで「独自コンテンツ」として Azure AI Foundry に読み込む素材として使用します。 実際のビジネスシナリオ(旅行代理店の問い合わせ対応 AI)を模した構成なので、自分でデータを用意しなくても現実的な演習が可能です。


はじめの一歩 — 実践のコツ

  • 最初は 01-Explore-ai-studio.md から始める: Azure AI Foundry のプロジェクト作成・ハブの設定・基本的なチャット補完まで一通りカバーしており、後続ラボの前提知識が自然に身につきます。
  • 番号順に進めることを推奨: 各ラボは前のラボの知識を前提として設計されています。特に 03 → 04 → 05 → 07 の流れは、アプリ構築から評価まで一連の開発サイクルを体験できます。
  • Azure ポータルとローカル画面を並べて表示する: ラボは「ブラウザでの Azure 操作」と「ターミナルやエディタでのコード編集」を交互に行います。画面を左右に分けて表示すると手順書を確認しながら作業しやすくなります。
  • サンプルデータをそのまま使う: data/ フォルダのデータは改変不要でそのまま使えます。まずは付属データで動作確認してから、慣れたら自分のデータに差し替えてみましょう。
  • ラボごとに Azure リソースを整理する: 各ラボで作成した Azure リソース(AI ハブ・プロジェクトなど)は使い終わったら削除することで、不要なコストを防げます。手順書の末尾に削除手順が記載されているので、最後まで読む習慣をつけましょう。
  • エラーが出たら手順書を再読する: Azure ポータルの画面構成はアップデートで変わることがあります。表示が手順書の画像と異なる場合も、説明文を読めば対応する操作が見つかることがほとんどです。

活用例

  • 社内 FAQ ボットの試作: 04-Use-own-data.md のラボで社内ドキュメントや製品マニュアルを Azure AI Search に取り込み、RAG ベースの問い合わせ対応 AI を短期間でプロトタイプできます。「まず動くものを作る」PoC(概念実証)に最適です。
  • カスタムモデルの品質検証: 05-Finetune-model.md07-Evaluate-prompt-flow.md を組み合わせると、ファインチューニング前後の回答精度をスコアで比較できます。モデル選定の根拠データとして上司や顧客への説明にも使えます。
  • 安全ガイドラインの実装学習: 06-Explore-content-filters.md でコンテンツフィルターの動作を体験し、有害コンテンツやプロンプトインジェクション(悪意ある入力)への対策を身につけます。AI サービスを本番公開する前のリスク管理学習に活かせます。
  • 認定試験の直前対策: AI-102 などの試験を控えた方が、テキストで読んだ機能を実際に操作して記憶に定着させるのに使えます。ラボの手順がそのまま試験の操作問題の練習になります。
  • 社内 AI 研修のカリキュラム: チームや部門内での AI リテラシー研修に活用できます。手順書がすでに整備されているため、研修担当者が一から教材を作る手間を大幅に省けます。
  • 個人の学習ポートフォリオ作り: 各ラボを完了したスクリーンショットや自分なりのまとめ記事を GitHub や技術ブログに公開することで、「Azure AI を実際に触った経験」として転職活動や社内アピールに使えます。

用語とポイント解説

Azure AI Foundry(アジュール エーアイ ファウンドリ) Microsoft が提供するクラウド上の AI 開発統合プラットフォームです。旧称は「Azure AI Studio」で、2024 年にリブランドされました。かんたんに言うと「AI アプリをまるごと作れるクラウドの作業場」です。モデルの選択からデプロイ(公開・運用)まで、AI 開発の全工程をひとつの画面で管理できます。

Prompt Flow(プロンプトフロー) LLM(大規模言語モデル)を使ったアプリの処理の流れを、視覚的なノード(部品)を組み合わせて設計・実行する機能です。かんたんに言うと「AI への質問の送り方や答えの加工手順をフローチャートのように組み立てられる仕組み」です。プログラムを一から書かなくても複雑な処理フローを構築できます。

RAG(ラグ / Retrieval-Augmented Generation) 外部のデータやドキュメントを検索して、その情報を LLM の回答に組み込む手法です。かんたんに言うと「AI に自社の資料を読ませてから答えさせる方法」です。AI が知らない最新情報や社内固有の知識にも対応できるようになります。

ファインチューニング すでに大量のデータで学習済みの AI モデルを、特定の業務やドメイン(分野)のデータでさらに追加学習させる手法です。かんたんに言うと「汎用の AI に特定の仕事を専門的に覚えさせる追い込み学習」です。ホテルの接客 Q&A などのサンプルデータを使って、より専門的な回答ができるモデルに育てられます。

コンテンツフィルター AI への入力や出力に含まれる有害・不適切なコンテンツを自動的に検出・ブロックする Azure AI の安全機能です。かんたんに言うと「AI の入口と出口に設置するセキュリティゲート」です。暴力・差別・プロンプトインジェクション(悪意ある命令の注入)などを防ぐ設定をラボで体験できます。

JSONL(ジェイソンエル / JSON Lines) 1 行につき 1 つの JSON オブジェクトを書くデータ形式です。かんたんに言うと「データを 1 件 1 行で並べた機械学習向けのメモ帳形式」です。ファインチューニングや評価用データに広く使われており、このリポジトリのサンプルデータ(data/*.jsonl)もこの形式で保存されています。

Azure AI Search(アジュール エーアイ サーチ) Azure が提供するクラウド上の検索エンジンサービスです。かんたんに言うと「自社ドキュメントをアップロードして AI が検索できるようにする仕組み」です。RAG のラボでは、旅行パンフレットなどのサンプルデータをここに登録して AI に参照させます。

Azure サブスクリプション Azure のサービスを使うための利用契約・アカウントのことです。かんたんに言うと「Azure のサービスを使うための会員登録」です。無料試用版から始めることができ、多くのラボは無料枠の範囲内で体験可能ですが、ファインチューニングなど一部のラボは有料リソースが必要になる場合があります。

モデルカタログ Azure AI Foundry ポータル上で、利用可能な AI モデルを一覧・比較できるギャラリー機能です。かんたんに言うと「AI モデルのショッピングモール」です。OpenAI の GPT シリーズ・Meta の Llama・Microsoft の Phi など多数のモデルを性能や価格で比較しながら選べます。

Python SDK(ソフトウェア開発キット) Python プログラムから Azure AI Foundry の機能を操作するための部品セットです。かんたんに言うと「ブラウザを使わずにプログラムで Azure AI を動かすための道具箱」です。azure-ai-projects などのライブラリをインストールすることで、自動化や独自アプリへの組み込みが可能になります。


活用アイデア — 一歩先の使い方

学習を進めるうちに「このラボで学んだ技術を自分の仕事に応用するには?」という視点が生まれてきます。 たとえば、04-Use-own-data.md で学んだ RAG の仕組みは社内規程集の検索 AI に、06-Explore-content-filters.md で学んだフィルター設定は顧客向けチャットボットの安全管理に直接応用できます。 また、07-Evaluate-prompt-flow.md で学ぶ評価指標の考え方は、既存の AI ツールの品質を客観的に議論するための共通言語にもなります。

ぜひ社内 FAQ ボットの試作や Microsoft 認定試験の実技対策などに活用してみてはいかがでしょうか。